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桜並木を見おろして【ARS・O】

第8章 桜並木を見おろして

校舎に入ってすぐ玄関ホールがあった。

「懐かしいね。」

玄関ホールは昔のままだった。

私と大野さんが初めて会った場所。

大野さんはそのまま玄関ホールを通り抜け、エレベーターホールへと進んだ。

エレベーターが開くと大野さんに続いて乗り込んだ。

大野さんが押したボタンを見て、ここへ来た理由がわかった。

「…ね?」

大野さんが、小首をかしげて微笑んだ。

エレベーターが目的の階へと到着した。

扉が開き、大野さんの後に降りた。

降りたところは、屋上。

「気持ちいいー。」

伸びをしながら、大野さんが屋上のフェンスまで進んだ。

「こっちおいでよ。」

大野さんが、私を手まねきした。

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