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先生…お願い。早く治して・・・

第17章 お願い側にいて

宮田はカーテンの外から声を掛けた。


「先生、入っても宜しいですか?」


「どうぞ。」


宮田が中に入ると、綾の顔は涙でグチャグチャだった。


石川はベットの脇にしゃがむと、下から綾の顔を覗き込んだ。

「綾ちゃん、思っていたより痛みが強いようだから、ちょっと早めに治療しよう。」


綾は首を横に振ると
『嫌だっ。大丈夫っ!夜でいい』



「夜じゃダメだ。予約で既に待ってる方がいるから、その診察が終わったら、治療しよう。いいね。」


『ヤダっ。夜でいいっ…。』
涙目のまま、綾は必死で抵抗した。


ほんの数時間でも逃げたかった。
現実と向き合うのが怖かった…。



泣きじゃくる綾に石川は優しく語りかける


「綾ちゃん、気持ちは分かる…。初めてだし、怖くて逃げ出したい気持ちも分かる。でもね、いくら逃げてもいつかはやらなきゃいけないんだ。治療せずに逃げれば逃げるほど痛みも増すし、考える時間が増えれば余計怖くなるんだよ…。」


『ひぃっく…ひぃっく………。ヤ…ダ…ョ…』





「大丈夫。早めに始めれば、治療する予定だった時間にはもう終わってるから。早く終わっちゃった方がいいだろ?ねっ。」


『ぅうっ……。えっ…っく…ヤダよぉ〜…』
怖さで涙は止まらない。


石川は宮田を見ると、“ちょっと困ったな”っという表情を向け。

「診察が終わって準備が出来たら、連絡するよ。」


そう言うと、石川は部屋を出て行った。


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