
先生…お願い。早く治して・・・
第78章 治療で深まる愛
綾は石川と顔を合わせるのが怖かった
どんな顔をして会ったら良いのか
自分の気持ちと向き合うのも怖い
いつもの朝の回診の時間が近づくと心臓の鼓動もいつも以上にドクドクと強く脈打つ
トントン
扉をノックする音が聞こえた
先生だ…
どうしよう。
咄嗟に布団を被ってしまった
宮田は中に入って来た石川に
“おはようございます先生、宜しくお願い致します”
一礼すると
いつも通り、2人きりにする為病室を出る
宮田にはいつも感謝しかない。。
こんな時でもさえ、いつも通り俺を向かい入れる体制をさりげなく作ってくれている。
あとは俺がどうするかだ…
石川は応接間を通ると綾のいる部屋へと向かった
昨日の今日だ…
自分に背を向け布団を被る綾を見て、まぁ〜そうだろうな…。
そう思った
