
先生…お願い。早く治して・・・
第93章 溺愛な石川先生と伸先生の治療②
トントン、
「失礼します」
伸「……ん?なんかあった?」
寝ぼけ眼で、看護師の伊藤に尋ねた
伊藤「いや、あの…、なんかあった…って言うか、アレはどういう状況なんでしょうか?つい咄嗟に見てはいけなかったのかと、出て来てしまいました。」
伸「ん??あぁ〜。」
ICUに目を向け、あぁ、アレか…と大きなあくびをした
司馬も話し声に目を覚ました
司馬「ん?まだ付いてたのか?あいつ。気にしないで入って良いぞ!」
伊藤「でも…。なんて言うか…無理です。入り難いです。ってか、どうなったら、あーなるんでしょうか?正直色々気になるんですけど…。」
伸「ん〜だよね…。だ〜から言ったのに、面倒な事になるぞって!…あ〜あ〜」
と、でかいあくびをする伸先生。
先生達の反応は、まずいものを見られた。
と、そういう感じでもなく、先生達にとっては当たり前な日常風景。
むしろそんな感じだ。
伸「俺も一緒に行くから良いよ!点滴は抗生剤追加してくれる?」
伊藤「分かりました。」
伸は看護師と一緒にICUへと入った。
看護師は2人が起きない様にそっと点滴の交換を始めた。
院長の寝顔…初めて見た…
それも女性を抱いて寝てる…
色々想像してしまう
何をやってもサマになるというか…
女性を抱き、寝てる姿だけでカッコいい〜
つい目で追ってしまう
伸は側で、看護師が点滴の交換を終えるのをただ付き添った
んっ…
物音と人の気配で綾は目を覚ました
そこにそこに映ったのは看護師と伸の姿だった
伸は顔の前で指1本立てると
シーーー!!
と、合図をすると私の頭の方に指をさした
目線をずらすと、そこには私を抱き抱えたまま寝落ちしてしまった石川先生の姿が…
私が意識を無くす前、一生懸命に胸を冷やしてくれていた先生。
意識を無くした後もずっとこうしていてくれたの?
んっ…ん〜
石川も目を覚ました…
石川「あれ…っ?もうそんな時間?」
寝ぼけ眼で呟いた
伸「そうだよ!みんな気遣うから良い加減降りろよ!」
石川「そうだな…。」
まったく焦る様子もない
