
先生…お願い。早く治して・・・
第97章 嘘つき…
石川はICUの扉を開けると、そこには
伸と、泣いている綾の姿があった
綾『んっ…っ、ん"っ…ック…んっ…』
石川「どうした?」
そう言って伸の顔を見た
伸「…いや…、、ごめん、分からない。。。」
石川「……。。」
泣いてる綾に気付いて様子を見に来たが、更に泣かれただけ…って所か。。
ま、あれだけ痛い事されたんだ、綾が伸に素直に話すわけがない…。。。
石川は綾の側に行くと、しゃがみ込み、目線を合わせると、そっと頭に手を乗せ
石川「綾?どうした?」
優しく声を掛けた
綾『だから、なんでも無いってば!!何処も痛くない!』
……。。
どうした?としか聞いてないのに、“何処も痛くない”と無意識に強調するのは、何処か痛い所があるからなのだろう…
石川「綾…。。。何でもなく無いだろっ。。ん?」
綾の顔を覗き込もうとする俺との目線を外そうと、布団で顔を隠し涙を拭う
綾『…んっ…ック…なん…っ…でも無い!!』
布団の隙間から出ているおでこに手を当てる
石川「どれっ、熱は?」
綾「大丈夫だからほっといてっ……ンンッ…ッ!!』
石川「……、、熱はまだ高いな…。。」
綾『…んっ……っ……んえっ……っ…っく…』
石川「綾? 先生は綾がなんで今泣いているのかは分からないけど、朝の診察と昨日治療したお腹の洗浄だけはするよ?いいね?」
綾『ヤダー!!やらない!!!』
布団で顔を隠し、俺に背を向けた
ふぅ〜
石川は小さく肩でため息をついた
石川「綾!!悪いけど、診察と洗浄だけはどんなに嫌がってもやってもらう。」
出来るだけ怒っていると思われない様に、声のトーンを抑え、語りかける
