
先生…お願い。早く治して・・・
第98章 別れ…それとも…
石川「いつも言ってるが、俺はこれ以上優しく出来ない。俺なりに最大限、綾の為に努力してきたつもりだが、それが受け入れられなかった事も残念だよ。」
綾『……。。』
あまりの先生からの衝撃的な言葉の連続に、言葉が出てこない。
呆然と先生の顔を見る事で精一杯で…
こんな時でさえ素直に言葉に出せない自分が嫌いだ
石川「進堂先輩には俺から謝りの連絡を入れておく。他にも沢山良い病院はある、何処が良いかお前に合いそうな所を探して、紹介状は書いておく…。」
ちょっと言い過ぎたか…
いつもなら、すぐに泣く綾がここまで追い込んでも尚、
涙一つ流さない…
まいったな…
そんな…
やだ…
綾『……………やだ。。』
今にも泣き出しそうな顔で、一言…消える様な声で呟いた
石川「………。」
石川は綾から視線を逸らし、無言でベットの横のデスクのPCに目線を移した
完全に嫌われた
先生、
やだよ…
そして、このタイミングで痛みの波がやって来た
綾『…んっ……っ……ぃ……っ……』
背中を丸め、歯を食い縛り必死に痛みに耐える
しかし先生は、私に手を差し伸べようとも目を向け様ともしない…
もうダメ…
痛い…
我慢出来ない
助けて…
綾『…いたい……っ…たすけ…て……』
私の声に先生は振り向いた
しかし、未だ表情は冷たい
石川「……。」
綾『…先生…助けて…」
石川「もうそんな身体、どうなっても良いんじゃないのか?」
綾はブルブルっと首を横に振った
石川「どうせ治療しても、また痛くなるぞ?意味ないだろ?治療なんてしなくて良い。」
追い討ちをかける様に、感情が消えた様な冷たい先生の言葉が胸に刺さる
今はお腹の痛みより、
先生に嫌われた心の痛みの方が大きい
綾『…んっ…っ…………んっ……っ…』
ポロ…ポロッ…っと涙が流れた
綾『…やだ…せんせ…やだ…』
石川「何が嫌なんだ?」
綾『離れたくない、」
