
先生…お願い。早く治して・・・
第98章 別れ…それとも…
石川「綾?自分の身体がどうなっても良いのか?」
綾『知らない。どうせ治んないんだから…どうなったって良い。もうほっといてって言ってるでしょ!』
語尾を強め、言い切った
石川「…いい加減にしろ。」
ぼそっと一言、、、
背後から感じる凍りつく様な先生の低い声
綾『……。』
石川「本気でどうなっても良いって思ってんのか?なぁ?」
久々の先生の本気のお怒りモードのお説教に、身体がすくみ言葉が出て来ない
綾『……。。。』
石川「なぁ?って!!先生聞いてるんだけど。」
怒りを押し殺したような声
綾『…、、思ってるよ!だって…、、どんなに我慢してやってもやっても全然良くならないし、何も変わらない!もうこんな身体、、どうなったって良い!!』
石川「そぉ〜、残念だよ、先生は…。。じゃ、もう終わりだな。もうお前に俺は必要ないな。」
え?
どういう事?
綾『……。。。』
石川「俺は医者だ。患者を治すのが俺の仕事だ。
だからなんとかお前を治そうとして来た。
確かに、今の医療では完治は難しい。でも上手く付き合っていけば、普通の生活は充分に送れる。俺は一生を懸けて、お前を全力で守って、支えて、、いつか必ず治してあげたいと思っていた。
けどお前はもうどうでも良いと治療を拒否した…。
もうこの先のお前の人生に俺は必要ないんだな。。」
綾は咄嗟に布団から顔を出し、石川のいる方に振り返った
綾『……。。。』
なんと言えば良いのか、言葉が見つからないが、感情の読めない少し冷たい目をした先生と目が合った
石川「治療しない、治す気のない奴は、この病院から出ていけ!!今すぐに宮田を呼んでやる!望み通り今すぐ退院させてやる!とっとと家に帰れ。」
先生から見捨てられたら私…
先生と目が合ったまま、綾は小さく震える様に頭を横に振った
