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そういえば、病室以外ほとんど歩いた事がなかったなぁ。

綾はとりあえず適当な場所がないか歩いた。


ホテルのような進美外科の病棟はとにかく広い。
しばらく歩くと、全面ガラス張りの休憩室と思われる場所に辿り着いた。


早朝過ぎてで廊下や休憩室には誰もいない。



ガラス張りのその場所から見える風景は自然がいっぱいで、朝焼けで空がオレンジ色に輝いていた。


綾は窓辺に立つと、携帯を開いた。

智子や洋介、そしてクラスの友達からLINEが届いていた。

“大丈夫？早く戻って来てね〜。”

そんなメールが数多く入っていた。


智子からは、《綾〜、大丈夫？今日は途中で帰ってごめんね。相談に乗れる事があったら何でも言ってね！また会いに行くからね。》


そんなメールの内容だった。


素直に嬉しかった。でも返事をしようと思ったが、返す言葉に困った…。