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先生…お願い。早く治して・・・

第20章 可愛い妹よ…俺たちがいる

しばらくすると綾の涙が少し弱まった。
石川は胸に顔をうずめる綾の腕を握り、自分の胸から引き離す。


綾の顔は涙でぐちゃぐちゃだった


石川は綾の腕を握ったまま床に両膝を付き綾の目線に合わせた。

「 ごめんな、辛い想いさせて…。」


『……もうやりたくないっ…またやらなきゃダメ?』


「 うん。」

先生は頷いた。


『 もうヤダよ』


綾は顔を涙でくしゃくしゃにしたまま懇願した



「先生だって、出来ることなら君が嫌がる事はしたくない」


『だったら…やめてっ』


石川の言葉を遮るかのように強く言った。




「 でも先生は医者だから……君を治す…。
君が嫌がっても…君に嫌われても…君の為に治療は続ける……ごめん。」



石川は綾の目を強く見て言った。


『…………。』



石川のその言葉に、高梨との会話が脳裏をよぎる。


“ 院長も昨日は相当落ち込んでたよ。担当医って嫌われ役みたいなもんだから…”



先生……

先生も辛いのかな……。


そんな事を思っていた


少し重い空気が張り詰めていたこの場を、高梨が割って入る。




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