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先生…お願い。早く治して・・・

第22章 やっぱり怖い

石川が病室へ着くと


綾は一人布団の中で泣いていた



「綾…大丈夫か?」


石川の顔を見た途端、綾は声をあげて泣いた…




そんな綾をせつなそうな顔で見つめ


「……痛くなっちゃったか…。」


と優しく声を掛ける





『せんせ…ぅぅっ…』



石川はベットに横たわる綾を上からそっと抱きしめた





『…せん…せ…、ヤダっ…やだぁ〜』


綾もまた抱きしめる石川の背中に腕を回し白衣をぎゅっと掴む…



「大丈夫、大丈夫…。泣かなくていいから」


石川はぎゅっと綾を抱きしめたまま、体を起こすと優しく背中をさすった…



『 うっ…うぅっ…』


綾は石川の胸の中で泣き続けた




「 綾…、とりあえず先生の部屋に行こう。」


『やだぁ〜』

まるで小さな子供の様に泣きじゃくる




「大丈夫。」



『やだぁ〜やだぁ〜』


背中に回す白衣を握る小さな手に力が入る




「大丈夫、この前は胸も治療したから痛かったかもしれないけど、今日はお腹だけだから。痛く無いから…ね」


石川はゆっくりと優しい声で、不安と恐怖でいっぱいの綾に話し掛ける。



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