テキストサイズ

先生…お願い。早く治して・・・

第6章 運命を変えた事故

私は宮田の大きな上着を羽織り、
ぼーっと周りの景色を眺めていた。

私が待つ玄関ロータリーの先では、工事のおじさん達が一生懸命働いている。何が出来るんだろう…
なんて、思っていたら、

後ろから、何やら声が聞こえた気がした。

気のせいかな?

"けんたーー!"

ん?


"けんたー!待ちなさい!!"

確かに女性の声が聞こえた。。

後ろを振り向こうとすると、私のすぐ脇をパジャマを着た小さな男の子が走り抜けていった。

"待って〜けんた〜"

そう叫びながら追いかける女性は、きっと男の子のお母さんだろう。

そして遠くには白衣をなびかせながら追いかける男性が見えた。

私はその瞬間、男の子は病院を抜け出したんだろうとすぐに悟った。

気がつくと私は熱があるのも忘れ咄嗟に追いかけていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ