
先生…お願い。早く治して・・・
第11章 ピュアな心
「 おはようございます。お嬢様。」
『みやた………、もう来てたの?』
「はい。心配で…。お加減はいかがですか?」
『うん。大丈夫。』
「良かった……。」宮田は笑顔で答えた。
点滴を外し終えた看護婦は
“ はい! いいですよ〜。もう腕動かして大丈夫よ”
綾は点滴から自由になった右腕を上にあげた。
なんかちょっと、嬉しかった。
その時
ガチャとICUの扉が開いた
真っ白な白衣を着た石川先生だ……。
その場の空気が変わるほどの存在感。
若いけど、リーダー的な雰囲気を持っている。
昨日は具合が悪くて色々と余裕が無かったけど、改めて爽やかで、かっこいいと思った。
石川先生は宮田にニコっと微笑み、おはようと目で合図しているようにも見えた。
宮田はそんな石川先生に頭を下げた。
先生は私に目を向けると、
「おはよう、綾ちゃん。」と笑顔で挨拶した。
私はちょっとドキドキしながら
『おはようございます……。』と応えた
石川先生はベット脇にあるパソコンのデータに目を通している……。
なんだろ……ドキドキする……
まだ挨拶しかしてないのに…ここにいる…っというだけでドキドキが止まらない…。。
先生は凄く優しい。そしてカッコイイ。
でもやっぱり、お医者さんというだけで、正直怖い…
何をされるのか…不安だし…、
「 調子はどうかな? 」
『…えっ、あぁ…大丈夫です』
「 吐き気はもう無い?」
私はコクンと頷いた。
先生もニコっと笑い“ うん”っと返した。
怖がらない様に、優しく接してくれてるのは私にも分かる。
