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先生…お願い。早く治して・・・

第11章 ピュアな心

「腕はどう?痛いかい?」

『…ん〜、、動かしてないからよく分からないけど、今は痛くないです』

「そっか。じゃあ〜、ゆっくり手を開いたり閉じたりしてごらん。」


手術が終わってから、左腕を動かしていなかっただけに、ただ手のひらを開く。それだけの事がとても怖かった。

「 大丈夫、怖くないよ。」そう言って私の左手を軽く握る。

「先生の手握ってごらん」優しく微笑むその顔に


ゆっくりと大きなその手を握り返す…。

「どお?痛い?」


『ちょっとだけ…。』


「うん。ちょっとなら大丈夫だ!じゃあ、ゆっくり起き上がってみようか。」


“ゆっくりでいいからね〜"と、看護婦さんに支えられながら、起き上がった。







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