
先生…お願い。早く治して・・・
第52章 ちょっとドSな石川先生の治療②
胸を隠したその腕は一瞬で先生に掴まれ頭の上で1つに押さえられた
『んんっ…………イヤ………。』
一瞬、森下に腕を掴まれ押さえつけられ、手錠をかけられ………悪夢の様な嫌な記憶が頭をよぎった
みるみるうちに目尻に涙が溜まり、その顔は恐怖で怯えている様にも見え、今にも声をあげて泣き出しそうな程だった…
「…どうした?」
先生は綾の腕を頭の上で押さえたまま、もう片方の手は綾の顔に優しく触れると、こぼれ落ちた涙をその指で拭った…
『……ごめんなさい…。先生の事、好きなのに…大好きなのに………変な事、思い出しちゃって…』
「……あいつに押さえられて、触られたのか?」
『…………。』
言葉が出なかった…。大好きな先生に、森下に触られたなんて言えない…。出るのは大粒の涙ばかりだった…
