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「ねぇ〜綾……、その治療って誰の為なの？」



隣に座る石川先生は、綾の顔を覗き込むと、優しい口調で質問してくる…



『……。』

目に溜まった涙がこぼれ落ちた……



「ん？誰の為？」


口調は優しいのに、明らかに怖い……



『……。』



「ねぇ〜」




『………私…。』




「だよね。じゃぁ、やらないとね。」



口調は優しいが、こういう時の先生は本当…怖い。何故なら、自分と向き合う事をしないと先生は本気で怒るから……




「俺がやってもいいけど、高の方が慣れてるから上手いし、早く終わるぞ。どうする？」




『……先生付いててくれるの？』




「…出来る限り付いててやりたいけど、ダメな時もある。」