
先生…お願い。早く治して・・・
第55章 平気なわけがないだろ!でも俺は医者だから…
あっという間に夕食の時間になり、そして、魔の時間は近づく……
今は本当に石川先生に会いたくない。
『宮田……怖いよっ。どうしよう。』
お嬢様が素直に私に気持ちをぶつけるのは珍しい。よほど嫌なのだろうと推測出来る。
“お嬢様、今頑張れば明日は今より良くなりますから。きっと一番痛いのは今日までですよ。だから、頑張りましょ!”
『……でも、本当に…本当に我慢出来ない位、痛いんだよ!っていうか我慢出来ないんだもん…』
“…っ、
トントン…
宮田の声を遮る様にノックの音が聞こえた
綾の身体は瞬時に固まった。
