
先生…お願い。早く治して・・・
第60章 病院から登校
先生は聴診器を耳にかけ、ツンと上を向いた小さな胸の音を丁寧に聴いていく
聴診器を持つ大きくて綺麗な先生の手が、少しずつ胸を移動するたび、ドキドキして胸の鼓動が早くなる
先生は一通り心音を聴き終えると、聴診器を耳から外し首へとかける…
先生の真剣な顔が私を緊張させるのだ…
「ちょっと胸触るよ。」
そう言うと先生は、痛みが出る左胸の膨らみを優しく触診していく
「ここはどお?痛く無い?」
先生は私の顔を覗き込むように問いかける
『うん。大丈夫…。』
久々に学校に行けて浮かれてた気分も一気に冷める
