
先生…お願い。早く治して・・・
第69章 記憶喪失
やっぱり俺の事も覚えてないか…と心の中で高梨は呟いた
そんな高梨の後ろに、表情を変える事もなく、いつものクールな顔をした司馬が立っていた。
“ 無理に思い出す必要は無い。いずれ思い出す”
ぶっきらぼうに言い切る司馬に…
『司馬先生…ですよね?…私…、司馬先生の事は覚えてる。』
少しビックリした表情で司馬は
“……俺の事は分かるのか?”
綾は頷くと
『だって…私の担当医だもん…でも、最後に会ったのはいつかな?……私が中学の時に風邪ひいた時?』
“それが、お前の俺との最後の記憶か?”
『うん。。』
“大丈夫だ。無理に思い出そうと思わなくても、きっと思い出す!ストレスが一番身体に悪い。”
