『先生…お願い。早く治して・・・』第69章「記憶喪失」　888ページ

小中大テキストサイズ

先生…お願い。早く治して・・・

第69章記憶喪失

綾の側にいた宮田は、石川に一礼すると

“ 私は外でお待ちしております”

と声を掛けた

医者嫌いの綾は、石川先生と2人きりになる事に不安の色が隠せなかった。

『み、みやた…』

消えそうなほどに呟いた小さな声は、辛うじて宮田にも届いた…

宮田は再度綾の方に振り向くと

“はい。”

と短く返事をした

『………。』

宮田を呼び止めたものの、何と言って良いか分からず、黙り込んでしまった