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先生…お願い。早く治して・・・

第2章 運命を変えた朝

これ以上宮田に嫌味だけは絶対に言わせまいと、
だるい体に気合を入れ、約束の時間までに身支度を整えた。

でも、宮田が用意したスカートとひらひらのブラウス、カーディガンには手を通さず、"品がない!"と、宮田の嫌がるショートパンツにTシャツを着てやった。

それは綾なりの、宮田への小さな抵抗だ。

病院は嫌だが、宮田はどんな反応をするかと、内心ワクワクしながら明子と共に宮田の待つ車へと向かった。



黒塗りの大きな車の前で待っていた宮田は、
綾の姿を見るなり、ちょっと顔は引きつっていたが、
それを言葉にする事無く、
後部座席のドアを開けると、

「さっ、お嬢様」と中に促す。

絶対イライラしてる〜
ちょっと勝ち誇った綾は、『ありがとっ』と微笑んで車に乗り込んだ。

宮田はドアを閉めると、
助手席に乗り込み、運転手に
「お願いします」と声をかけた。

その瞬間、
“そうだだった、私、、病院に行くんだ…”
と一気に現実に戻されテンションが下がった。


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