
先生…お願い。早く治して・・・
第70章 戻らない記憶…そして…
「綾ちゃん…どうする?司馬先生に治療してもらう?それとも、先生の治療受ける?」
涙を流す綾に司馬が
“いいか…、言っとくけど俺の治療は優しく無いぞ。優しくしてもらいたいなら石川にやってもらえ!”
綾は涙目で石川の目を見つめると
『…せんせぇ…治療ヤダ…怖い…。』
「大丈夫、怖く無いよ!綾ちゃん…約束する…。先生の言う通りにすれば痛くないから。だから少しだけ頑張ろう!ねッ。」
『…本当に…痛い事、しない?…』
「うん。しない。約束する。だからパパッとやっちゃおう!ね?」
石川はニコッと笑った…
私は小さく頷いた…
だって…
私を励ます先生の顔が、あまりにも真剣で…
信じてもいいかなって…
記憶を無くす前の自分が、好きになった人だから…
だから…
少しだけ頑張れる気がした…。
