
先生…お願い。早く治して・・・
第73章 先生との約束はどうした?
石川はデスクに戻り椅子に腰掛けると、綾や宮田に背を向けた
石川「宮田、連れてっていいよ!」
振り向くことなく、冷静な声で言い放った
宮田 「先生…っ!!!待ってください!!」
宮田はたまらず、石川に詰め寄った
石川「本人に治療の意思がないんだから、しょうがない。
いいから連れていきなさい。」
振り返り宮田を見つめる目は真剣で、とても言い返せる表情ではなかった。
宮田「……、、わかりました。」
そう返すと宮田は、綾の元に近づいた
宮田は俯く綾の前に膝まずき、両肩に手を置くと
宮田「お嬢様、一旦お部屋に戻りましょ!」
とても優しい微笑みでニッコリと笑って見せたが、どこか悲しげだった。。
そして部屋を出る2人に石川は
石川「もしも治したい、ちゃんと逃げずにやると決めたら、その時は来なさい。その時は診てやる。」
完全に見放されたと思った綾にとっては、救いの言葉だった。
