
先生…お願い。早く治して・・・
第73章 先生との約束はどうした?
石川「いいよ、帰って!そこに立ってたって意味ないでしょ!」
綾『うぅッ…うっ…っく…』
石川「もう泣かなくていいよ、検査も治療もしないから、帰っていいよ!」
まるで突き放すかのような言い方…
いつも優しくて温かい石川先生。そんな石川先生の見た事もない冷たい態度と返しに、号泣したまま何度も何度も首を振る…
石川「ん?やるの?」
無表情でどこか冷たい真っ直ぐな目で問う石川に、声が出なかった
綾『……ヒック…っ…ヒッ…ッ…ク。。』
しゃくり上げ、涙が止まらない…
見放される…
先生に嫌われる…
このままじゃ嫌なのに…
うん…。という、たった一言が出てこない…
石川「でしょ?やらないんでしょ?…だからもう泣かなくていいって。先生も忙しいんだ、帰りなさい。」
もうダメだ…完全に見放された……私……
怒った事もない、いつも優しい石川先生にこんな事言われるなんて。。
石川「先生がいない間に痛みが出て、でも近くにいないから診てあげれない…けど、先生と約束したから、高梨先生にちゃんと診てもらってると信じてたのに、それもしない…。
“俺が帰って来たら検査も治療もする”って高梨先生と約束したって言うから、酷くなる前に治療しなきゃって、急いで夜中に帰って来たのに、やらない。。
どんなに先生が心配して、君の事を想っても、先生の想いは通じないんだもんね…」
綾『……んんっ…。。』
涙が溢れる。
そして、先生の言葉…
前に…何処かで同じような事言われている。
さっきから、怒られる度に
何かがよぎる。
綾は色んな感情が入り混じり震えた
小さく震えるように、首を振り続ける綾を見た石川は
あぁ〜…。。。やってしまった…。。
俺としたことが…
記憶を無くした綾が医者嫌いを克服する為に、
これまで出来る限り優しくしてきたのに、
つい頭に血が登ってしまった…
ますます医者嫌いにしてしまったかな。
そして俺も嫌われてしまったかな…
でも、これが本当の自分だ…これで嫌われても仕方がない
そう思った…
