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第14章 捜索
その瞼がゆっくりと開かれ、恋奈の綺麗な瞳が姿を現した。
「恋奈っ!!」
俺はガシッと恋奈の手を握り締める。
良かった。戻って来てくれたんだ。
そう思うと俺の目から雫がポタポタと落ち、握り締めていた恋奈の手の甲を濡らした。
「アキ……ちゃん?」
焦点の合っていない虚ろな瞳のまま、恋奈の顔が俺の方を向く。
その瞳には俺が映っているのに、俺の事が見えていないみたいで、何だか怖かった。
恋奈だよな? 俺の名前を呼んでくれたもんな?
祈るような気持ちでギュッと恋奈の手を握り、彼女が俺を見てくれるのを待つ。
そうして恋奈を見守っていると、「気が付いたのか?」と所長とハナさんが俺の後ろから、彼女を覗き込んだ。
「恋奈さん、分かる? 戻って来たよ。力は入る? 入るなら、アキの手を握り返してやって。ずっとキミが戻って来るのを待ってた」
所長が、恋奈にそう声を掛けると、弱弱しい力だったけど、俺の手を握り返してくれる。
「多分、もう大丈夫だ。彼女が動ける様になったら、今日はもう帰れ。詳しい事は明日話すから」
そう言って所長は俺の肩をポンと叩いた。
「ハナ、俺ちょっと寝るから」と所長は言うと、奥の部屋へと引っ込んでしまった。
ハナさんは、「とりあえず一安心だな」と言って、所長と同じ様に俺の肩をポンと叩くと、キッチンの方へ行って恋奈の為に、温かい飲み物を用意しはじめた。
少しずつ、俺の手を握る恋奈の力が強くなって来て、完全に戻ると俺は恋奈の身体を起こして、ソファに座らせてやった。
「ほら、これでも飲みな」と言って、ハナさんが差し出したカップを両手で受け取ると、恋奈は一口、コクンと喉を鳴らしてそれを飲んだ。
「あったかい……」
そう言って溜息を一つ零す恋奈。
一体、彼女は自分の身体を抜けて、何処で何をしていたんだろう。
それが気になる俺だったが、明日所長が話してくれると言ったのだ。
今は、それには触れずにおこう。
俺はそう思ったのだった。
「恋奈っ!!」
俺はガシッと恋奈の手を握り締める。
良かった。戻って来てくれたんだ。
そう思うと俺の目から雫がポタポタと落ち、握り締めていた恋奈の手の甲を濡らした。
「アキ……ちゃん?」
焦点の合っていない虚ろな瞳のまま、恋奈の顔が俺の方を向く。
その瞳には俺が映っているのに、俺の事が見えていないみたいで、何だか怖かった。
恋奈だよな? 俺の名前を呼んでくれたもんな?
祈るような気持ちでギュッと恋奈の手を握り、彼女が俺を見てくれるのを待つ。
そうして恋奈を見守っていると、「気が付いたのか?」と所長とハナさんが俺の後ろから、彼女を覗き込んだ。
「恋奈さん、分かる? 戻って来たよ。力は入る? 入るなら、アキの手を握り返してやって。ずっとキミが戻って来るのを待ってた」
所長が、恋奈にそう声を掛けると、弱弱しい力だったけど、俺の手を握り返してくれる。
「多分、もう大丈夫だ。彼女が動ける様になったら、今日はもう帰れ。詳しい事は明日話すから」
そう言って所長は俺の肩をポンと叩いた。
「ハナ、俺ちょっと寝るから」と所長は言うと、奥の部屋へと引っ込んでしまった。
ハナさんは、「とりあえず一安心だな」と言って、所長と同じ様に俺の肩をポンと叩くと、キッチンの方へ行って恋奈の為に、温かい飲み物を用意しはじめた。
少しずつ、俺の手を握る恋奈の力が強くなって来て、完全に戻ると俺は恋奈の身体を起こして、ソファに座らせてやった。
「ほら、これでも飲みな」と言って、ハナさんが差し出したカップを両手で受け取ると、恋奈は一口、コクンと喉を鳴らしてそれを飲んだ。
「あったかい……」
そう言って溜息を一つ零す恋奈。
一体、彼女は自分の身体を抜けて、何処で何をしていたんだろう。
それが気になる俺だったが、明日所長が話してくれると言ったのだ。
今は、それには触れずにおこう。
俺はそう思ったのだった。