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橙の傷

第6章 補習

「それ、キスマークよ。」

耳元に口を寄せられて囁くように伝えられる。

少し、ぞくっと快感を覚えてしまう。

「き、すまーく…」

ポツッと呟くと、一気に頭のなかに昨日がよみがえる。

「金曜にはなかったし…へぇ?」

真っ赤になった私を見ながらにやぁっとわらう。

「私は応援するから。ね?」

菜穂は私が言わなくてもなぜかお兄ちゃんといるところを見ただけで察された。

「うん、ありがとう。」

じんわりと暖かい気持ちが広がる。

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