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橙の傷

第7章 帰宅 ※side博人

橙乃の部屋を軽くノックしてはいる。

「あれ…?」

どこにも橙乃の姿が見当たらなくて、首をかしげる。

あ…。

またか、と今度は少し重いため息をついた。

自分の部屋の扉を開ける。

「こいつは…。」

無防備にさらけ出されたデコルテ、見えそうで見えない境界を保って投げ出された白い足、軽く空いた唇…。

俺は昨日お前をくったんだぞ…。

危機感のない橙乃に、何だかやるせない想いになる。


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