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橙の傷

第2章 日常

「えへへ、お兄ちゃんだいすき~」

すりすりと背中にほほをすり寄せる。

「はいはい。」

お兄ちゃんは携帯をいじりだして適当に返事した。

「橙乃!博人!ご飯よー!」

一階からママが呼ぶ。

「お兄ちゃん!いこ!」

「じゃあまず離れろ。」

渋々まわした腕をはずす。

「ほら。」

めんどくさそうな顔をしながらスッと差し出された手。

私は笑ってその手に指を絡めた。

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