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君と僕の見ている風景

第5章 結婚までの道のりー後編ー

ー潤sideー


世田谷の一等地にある翔の実家に来るのは何年振りだろう。
豪邸が建ち並ぶ住宅街の中でも翔の実家は一際目立っていた。


「ふぅ…」


車を駐車場に止め、俺は深呼吸する。


助手席の翔は黙って俺の手を握ってくれた。


「………よし」


両手で頬をパシッと叩き、俺は車を降りた。




インターホンを鳴らすと直ぐに返事が帰って来た。


舞『お帰り~♪』


「舞ただいま」


潤「舞ちゃん久しぶり。休みの日にごめんね」


舞『いいえ~。開けるね。どうぞ』


家の門が開く。

門をくぐり、玄関まで歩いてると一足先に玄関が開き、翔の妹・舞ちゃんが末の弟・修くんを連れて出て来た。


修「兄ちゃん!」


翔「修ただいま」


まだ小学生の弟・修くんは翔くんにべったりで、翔に飛び掛からんばかりの勢いで走って来た。


舞「修!お兄ちゃんお腹に赤ちゃん居るんだから危ない!」


舞ちゃんが後ろから修くんを抱え込んだ。


翔「修ただいま」


目の前まで来ると、翔は笑顔で修くんの頭を撫でる。


修「お帰り!」


「こんにちは修くん」


修「こんにちは」


舞「お父さんもお母さんも待ってるよ。どうぞ」



翔「うん。行こう潤」


「うん」


お父さん、と聞いただけで忘れていた緊張感がまた身体を覆った。


翔「大丈夫」


翔に手を握られる。


そうだ。大丈夫。
何があっても絶対この手を離さないと誓ったんだから。


俺は翔と並び、一歩一歩踏み締める様に玄関へと向かった。

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