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君と僕の見ている風景

第7章 想いの交差

ー潤sideー


翔「はぁっ…ふぅ、ん…」


ゆっくりと唇を離すと、翔は俺にしがみついたままトロンとした瞳で俺を見上げて来た。


翔「ど、したの…?」


「ごめん…翔の顔見たら…したくなっちゃった…」


本当は…斗真に見せたかった。
俺と翔の間に入り込む隙は無いんだって。
それでも構わないんだったら告白すればいい。


翔「人前は恥ずかしいって言ってるのに…」


「ごめんな。でも最近ほら…俺達ご無沙汰だしさ…」


そう言うと翔の顔がボンと赤くなる。


翔が吐いてしまったあの日から俺は翔を抱いてない。
つわりが安定するまではと思って耐えてるけど…最近辛い。
いや、隣で寝てる翔の寝顔をおかずに独りで慰めてるけど(変態か)それもそろそろ限界だった。


翔「人ん家で恥ずかしい事言うなってもう…」


でもどこか嬉しそうな翔。
すると俺の裾をきゅっと引っ張り、ボソボソと呟いた。


「ん?何?」


翔「だ、だから…したいんだったら我慢しなくて良いから…その…今日…」


「………」


翔「その…」


「うん。何?」


もしや翔から誘ってくれてる?
俺は頷きながら予想出来てるであろうその言葉を待った。


翔「帰ったら…」


「帰ったら?」


翔「………」


「しょーう…」


翔「な、何言わせようとしてんだ馬鹿!言わないから!」


急に我に返った様に、翔が顔を余計に真っ赤にした。


「ちょ、折角言いそうだったのに…」


翔「潤のばーか」


べぇと舌を出して翔はリビングへと戻って行った。


「か、可愛すぎるだろ…あかんべーなんて」


無理にでも押し倒せば良かったなんて思いながら俺は翔の後を追い掛けた。

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