テキストサイズ

Starlight Kiss

第9章 tragic love②

「舞、お兄ちゃんが着いてるから。頑張るんだぞ」


舞「うん」


看護婦「では…失礼しますね」


「宜しくお願いします」


手術室の前、ベッドに寝かせられた舞が中に運ばれていく。


ギリギリまで俺を見つめて手を振る舞に俺は見えなくなるまで手を振り返した。


舞の手術の日。
坂本店長に快く休みを許可され、俺は舞に付き添う為に今日から暫く病院で舞に付き添う事にした。


今日は舞のバチスタ手術。


成功する確率は30%。
俺は手術室の前の椅子に腰掛け、舞の無事を願った。





本当は…昌宏さんも付き添ってくれる筈だった。
でも…あの日から連絡が無い。
何度電話しても…メールしても…昌宏さんからの応答は無かった。


まだ…怒ってるのかな…。
あの日…俺が放ってしまった言葉。


「………俺より…お母さんが大事なの?」


言ってはいけなかったかもしれない。
俺だって…舞と昌宏さんを比べる事なんて出来ない。


でも…俺はただ…。
言って欲しかった。
「別れない」って…。
「反対されても構わない」って…。


俺が…子供過ぎるから?
だから…駄目?
女だったら良かった…?


昌宏さん…。


3年経っても…こんなに貴方が好きなのに…。
ただ側に居れたら…それだけでいいのに。


………駄目だ…。
今は…舞の事だけ考えよう。
舞の無事を…祈ろう。
舞には俺しか居ないのだから。


俺は手を握り、大事な妹が無事に戻って来るのを願った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ