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Starlight Kiss

第3章 接近

ーショウsideー


俺の仕事は客に身体を売る事。
いわゆる水商売。
自慢ではないけどお店では指名客がダントツのNo.1。
そのせいか、擬似恋愛を勘違いしてのめり込んでくる客も居る。大抵は笑ってあしらえば済ませられるけれど、たまに度を越した客も居る。
店の前で待ち構えていたり、家まで着いて来たり…目の前の男みたいにプライベートにまで足を突っ込んできたり。
本当…ウンザリする。


1番見られたくない場所だったせいか、いつになく俺は彼に暴言を浴びせてしまった。


一通り言い終わった後、タイミングよくエレベーターの扉が開き、俺は足早に出て行った。


雅紀「待てって!!」


大きな声を出しながら俺の腕を掴んでくる。


「………ここ病院ですよ。大きな声を出さないで下さい」


彼を睨み付けると、真剣な表情で俺を見つめた。


雅紀「声掛けた事がご迷惑だったなら謝りますけど…誤解だけは解かせて下さい。俺がここに来たのは偶然です。後輩のお見舞いに来ただけです」


「………別に変な言い訳しなくても良いですけど」


腕を振りほどこうとするけどこいつ以外に力ある…。


雅紀「本当ですから。9階の906号室の松本潤。疑うなら行って聞いてみて下さい」


「………」


二度しか逢っていないけれど…こいつこんなに真剣な表情するキャラだったっけ?
何でだろう。彼から目が離せない。


雅紀「確かに…貴方の事…綺麗だなって思うし…この間の事はすみませんでした。でも…俺は病院に押し掛けたりなんてしません。偶然だって事は…信じてもらえますか」


「………」


素直に頷く事が出来ずに黙ってると、ようやく腕を解放された。


雅紀「………分かりました。もう…いいです。大声出してすみませんでした」


ナースステーションの看護師さん達にも頭を下げた後、エレベーターに乗り込んで彼は去って行った。


本当に…ここに居たのは偶然だったのか。
彼に暴言を浴びせた事…後悔してる自分が居る。
心の奥がチクリと傷んだ。

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