彩夏 ~君がいたから、あの夏は輝いていた~
第1章 友達でいたいのに
週明けの月曜日。一学期の終業式。
高校生活初めての夏休みを前に、私の心は結構暗い。
というのは、期末考査を、はっきり言ってナメすぎていた。普通科といえどさすがは市高。簡単に点数は取らせてくれなかった。
高校は義務教育ではないだけあって、単位というものが存在する。その単位が一定数に満たなければ、留年もありえる…とまではいかない点数だったが、結果は散々で、夏休み中の補習が決定的になった。
そのことを考えると、何も耳に入ってこない。
甲斐たち野球部は、補習組になると練習に参加できなくなるから、それこそ必死で勉強させられたらしい。進学校の野球部は、試合直前でも問題集を広げているそうだ。
終業のチャイムが鳴り、先生の「解散!」という声とともにみんなが散った。
「千咲、明日から早速補習?」
「…そうだよ…」
「うわ、暗っ」
美帆は夏休みを前に、ついに永田先輩に積年の想いを打ち明けた。
結果はまさかのサクラサク。
明日から幸せな夏休みが待っている人は、いいよなー…
「ほら、学校来たら、毎日甲斐に会えるじゃん?」
美帆は落ち込む私の顔を覗きこんで言う。
「甲斐は練習…」
「会えないよりマシでしょ」
そうだけど…
そうだよね
夏休みも甲斐に会える!
「頑張るわ、補習!」
「うわ、いま千咲の脳内変化が見えた」
「ちょっと、後ろ通して」
その時、聞き慣れない声がして振り返ると渡辺くんが迷惑そうな顔をして立っていた。
高校生活初めての夏休みを前に、私の心は結構暗い。
というのは、期末考査を、はっきり言ってナメすぎていた。普通科といえどさすがは市高。簡単に点数は取らせてくれなかった。
高校は義務教育ではないだけあって、単位というものが存在する。その単位が一定数に満たなければ、留年もありえる…とまではいかない点数だったが、結果は散々で、夏休み中の補習が決定的になった。
そのことを考えると、何も耳に入ってこない。
甲斐たち野球部は、補習組になると練習に参加できなくなるから、それこそ必死で勉強させられたらしい。進学校の野球部は、試合直前でも問題集を広げているそうだ。
終業のチャイムが鳴り、先生の「解散!」という声とともにみんなが散った。
「千咲、明日から早速補習?」
「…そうだよ…」
「うわ、暗っ」
美帆は夏休みを前に、ついに永田先輩に積年の想いを打ち明けた。
結果はまさかのサクラサク。
明日から幸せな夏休みが待っている人は、いいよなー…
「ほら、学校来たら、毎日甲斐に会えるじゃん?」
美帆は落ち込む私の顔を覗きこんで言う。
「甲斐は練習…」
「会えないよりマシでしょ」
そうだけど…
そうだよね
夏休みも甲斐に会える!
「頑張るわ、補習!」
「うわ、いま千咲の脳内変化が見えた」
「ちょっと、後ろ通して」
その時、聞き慣れない声がして振り返ると渡辺くんが迷惑そうな顔をして立っていた。