いつまでもここに居て
第9章 僕と君の幸福論[21]
大野智。画家。
僕は絵を描くのが好き。
この小さなアトリエで一人黙々絵を描く。
「明日アシスタントが来ますよ」なんて言ってて、なんか緊張したけどワクワクした。
家に帰ると
鼻歌を口ずさみながら絵を描く。
油絵をキャンバスに重ねていく。
今日は本当に絵が【乗る】。
「誰だ…これ…」
描きおわったキャンバスには白い肌の美青年。
髪の毛は少し茶色が混じっているけど黒で。
適当にかいたのに何か…本当に絵から飛び出してきそうなほど絵がかけた。
そして僕はその絵としばらく見つめあうのがルール。
(この絵は何を考えてるのかな)
って。色んなことを考える。
この絵は…あれ?
いつも出てくるはずなのに出てこない。
とりあえず(会ってみたいな)って気持ちが止まらなかった。