いつまでもここに居て
第15章 Overprotective boyfriend[54]
「…でもさ、翔くんだって過保護だよ。帰りが遅いってだけで収録先まで迎えに行くし、靴ずれ起こしただけなのにお姫様抱っこで歩くし、前リーダーが収録中包丁で怪我した時その指口に入れたよね?あれさ、カットされるぐらいには舐めてたよね?」
「うう…だって俺の智くんだって失敗はするの!それをカバーするのが俺の仕事なんだよ~ね〜智くん~」
「んむっ、ああ〜うんーいつもありがと~」
翔くんは俺の言葉から逃げるように智くんの頬に自分の頬をくっつけてグリグリとすりつけていた。
苦しそうにしてるけど、リーダーもリーダーで嬉しそうだ。
「ま、これからニノ頑張ってくれるって言ってたし、俺の和也は言ったらちゃんとやる子だよ。」
「そっか、そっか。ニノをよろしくね、潤。」
「うん。任せてよリーダー。」
するとニノからメッセージが1件入った。
【潤へ 今日八百屋でナスと玉ねぎとじゃがいも買ったけど、何作ればいいかわからないから潤早く帰ってきて 和也】
「あ、俺奥さんにお呼ばれしちゃった。」
「あら。良かったね」
「うん!話聞いてくれてありがとう!、まあ惚気話が多かったけどね…」
「おう!お互い様だし大丈夫だよー!じゃあね!」
二人に手を振って俺は猛スピードで家に向かった。
家に帰るとソファにニノはスーパーの袋を抱えて寝ていた。
すやすや寝ているニノからスーパーの袋をどかし、キッチンへ向かった。
袋の中身を片付けていると、
「潤…俺、頑張ったよ…」
むにゃむにゃと寝言を呟くニノが本当に可愛くて、起こそうと思ったけど、今日はいいや。
ちゃんと買ってきてくれたもんね。お疲れ様。
そばにあったブランケットをふわりとニノに掛けてやると、俺はそのままキッチンへ向かった。
やっぱり俺は過保護な彼氏なのかもしれない。
でも和也がこんなにも可愛いのが悪いんだ。
明日もまた頑張ってね。ニノ。
END