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いつまでもここに居て

第13章 相合傘 濡れてる方が 惚れている[54]



…その時話していた潤が行きたいデートスポット。
潤は忘れているかもしれないけど、俺はちゃんと覚えてる。
…だから、俺がちゃんと潤を連れていくから。
俺らが仲良くなるきっかけになったこの場所からまた再スタートをしたいんだ。
俺、これからちゃんといい子にするからって分かってもらいたいから。

「へ!?この時計…もう無いの!?」
「はい…すいませんお客様…先程売り切れてしまったもので…」
「…」

赤レンガ倉庫で時計を揃えたい。
そう言っていた潤に時計を買ってあげようとしたのに、気に入った時計が売り切れ。
なんかとても気まずい空気になる。
AエリアとBエリアで分かれているため足も疲れてきた。
「疲れてきたでしょ?ちょっとまっててね、飲み物買ってくるから。」
「う、うん…」
また迷惑をかけてしまった。こんな事なら予約とかしとけば良かったのに。潤君なら予約したんだろうな。こうやって振り回されて潤も疲れてるんだろうな。
変な妄想が頭を支配して、ぐるぐる巡る。
ベンチで座っている自分。飲み物を買いに行く潤。
こんなにいたせり尽くせりな我侭で無計画な俺なんか本当潤は好きじゃないんだろうな。

自信たっぷりな昔の俺からは想像出来ない。

けど、リーダーに言われちゃうと不安になるんだ。
リーダーが言うことは間違いじゃないから。
悔しいけど、本当に潤が俺の事を好きなんて実際わからんないのだから。

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