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いつまでもここに居て

第1章 One more chance?[21,31]

実のところ、二人が付き合ってるなんて知らなかった。
俺は智くんが密かに好きで、ずっと追っかけていた。
智くんが好きなゲームとか趣味とか。ちょっと耳にすると直ぐに調べて、話のネタを作ったりした。

俺が話しをする度に
「雅紀わかってるねー…」
と笑ってくれる時に胸が高鳴った。

とある時、俺は智が見せてくれた魚の写真を見ながら話をしていた。

「大野さん、ちょっといいですか?先ほどの日程なんですけど…」
「あっ、今行きます。あ、雅紀その魚の写真俺帰ってくるまで見てていいよ。」
「え、ちょ、智…!」

バタバタとディレクターを追いかけていく智を俺は智の携帯を握り締めたまま見送った。

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