ねがい*ごと
第3章 幽霊?
私は仕事中ずっと考えていた。
夜な夜な現れる少女は、一体誰なのかと…。
あのマンションの部屋、以前よからぬ事件でもあったりして……。
そうだとしたら、
やっぱりあの子は事件に巻き込まれた、浮かばれない霊なのかも知れない。
そう思うと、なんだか可哀想な気がしてくる。
はぁ。
七海は今朝帰っていったし、また1人でがんばるしかない。
そうよ、あんな可愛い幽霊なら怖くもなんともないわ。
強くならなきゃね
亜沙美。
ふと、斜め前のデスクに座っている、小野さんと目が合った。
「っ…」
ぼんやりしていたのがおかしかったのか、彼にクスッと笑われた。