ねがい*ごと
第6章 優しい貴方
優矢side
リビングに足を踏み入れたとたん、感じるこの空気は何だろう?
これは夢なのか、現実なのか、それとも現在なのか
過去なのか……?
俺は奇妙な感覚に頭がクラクラした。
ここはどこなんだ?
この空間だけが変だった。
つまり異次元……。
霧のようなもやが立ちこめる中、俺は亜沙美を捜した。
「亜沙美〜っ、どこにいるんだ〜っ」
霧をかき分け歩いていくと…
「はっ」
遠方にようやく、浮かぶように見えた。
亜沙美と
「優矢…」
亜沙美の横に寄り添って立つ
小さな女の子の姿が……。