俺氏、捨て子を拾いました
第2章 もはや非日常
ザァァァ……
気まずさのあまりに普段絶対に行わない風呂掃除をする俺。
このアパート無駄にバスタブ完備してるのが本当に謎でいらねえよぶっ壊すぞと何度も思ったけど……今回ばかりは俺にやることをくれてありがとう。愛してる。バスタブ。
「辰海さーん? あ、こんな所にいたんですか! お風呂掃除ですか? 手伝います!!」
俺を見つけたふたばちゃんは、俺に近付いてくる。
気まずいから逃げたのに……これはこれはお嬢さん。
「ブラシとかはないんですか?」
「ないんです。はい。バスタブ掃除するのも初めてで……」
「え!? じゃあなんで掃除なんてしてるんですか?」
ふたばちゃんは悪びれもなく悪態をついてくる。辛い。小学生の純粋な心が俺には辛くて耐えられない。
「いや……あ、あの……そう! 女の子ってお風呂好きってよく聞くし……代表としてしずかちゃんとかその象徴を表した子もいるぐらいだし!! だからふたばちゃんも入りたいだろうなーって思って。今まで外をうろうろしてて汗もかいてるだろうし……」
気まずいから逃げましたとか言えない。
「え? そ、そんな悪いですよ……私の為になんて……」
ぶんぶんと両手を振って、戸惑っているふたばちゃん。
ごめんお前ら。
俺。萌え死ぬ。