俺氏、捨て子を拾いました
第3章 貴様のぱんつは何色だ?
「うぐぅ……アパートの道さへ分からなくなってしまいました……もはや私はこれまでです……」
ああ……辰海さん……やっと良い方に出会えたのに神様とは無情です……
「あれ……あれれ……涙が……溢れてきちゃいます……もう……私……こんな泣き虫に……」
下を向いて私はただひたすらに、涙を拭いました。しかし、拭っても拭っても、私の瞳からは涙が溢れてきました。
こんなことなら……ぱんつも辰海さんので我慢するんでした……
「あなた……大丈夫? 泣いてるみたいだけど……」
私は顔を上げて声を掛けてくれた人の顔を見ました。
綺麗な女の人……おしゃれな手提げのカバンを肩に掛けている方でした。
「……う……あ……うぅ……」
「ああ、無理に話さなくていいよ……そうだ……」
女の人は、手提げのカバンについてるポケットから何かを取りだそうとする。
「ちょっと顔拭くよ」
女の人は私の顔を取り出した水色のハンカチで丁寧に優しく拭いてくれました。
「はい、これでよし……このハンカチ持ってな……また泣きそうになったらそれで拭いて」
意外とこの女の人サバサバしてる性格みたいです。
「もう泣かないです。ありがとうございますです」
「ん……いい子だね」
頭を軽く叩くように撫でられました。その手がまた温かいです。