俺氏、捨て子を拾いました
第3章 貴様のぱんつは何色だ?
「……はあ……もう何を言っても無駄みたいだね……」
「ですです!」
そんな嬉しそうにタラちゃんの物真似するんじゃないよ。
今、君すごいこと言ったんだからね?
「……今日のところは見逃してあげるけど……私は早く警察に行って、施設に預かってもらった方がいいと思うよ」
「いやです!!」
ダメだこりゃ。即答だもの。
「こんな頑なな拒否は初めてだよ……」
少し苦笑いに近い微笑みを見せた霙という女は、俺の方に視線を移した。
「あなた、辰海だっけ? 変な気起こしそうだから言っとくけど……私はいつでも通報できるから覚悟しときなよ?」
「……僕は何もしましぇん」
「嘗めてるの?」
怖い怖い。B級ホラーより怖い。
「東大さん!! そんなに心配ならここで泊まっていったらどうですか!? 家も隣の部屋なんですよね!! 安心じゃないですか!」
「え、いや……それはちょっと」
ふたばちゃんの言葉にその情けない声を出したのは、霙じゃなくて。この俺、辰海。一年前の俺だったら、正直願ってもないお願いだと思っているだろうが、今の俺は違う。生きた心地がしない。
「なんであなたがそんな拒否してるの? 決めるのは私でしょ?」
ほらもう怖いもの、やだやだ。