俺氏、捨て子を拾いました
第1章 出会う
「あの、それはどういうことでしょうか?」
「言った通りです拾ってください」
拾ってください? 何を? 大切な何かを? それは心を? 銭形やないかい!!
「え? ちょっと待って待って」
「なんですか? 急にそんな声色を変えて」
女の子はその場にゆっくり座り込み小さく欠伸をして見せた。
かわいい。
じゃなくて!!
「拾うって君をか?」
「そうですが?」
「お母さんは?」
「そんなのいないです」
「父ちゃんも?」
「いないです」
「……」
「どうしたんですか? 固まって」
「……」
「おーい?」
「……」
「ダメだおじさんの周りだけ時が止まっているようです」