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俺氏、捨て子を拾いました

第7章 みつばじゃないよ、ふたばだよ




「何か用ですか?」


 喋りかけてきた少しぽっちゃりしたガキ大将的な男の子に私は臆さず用を聞く。



「お前友達いねえのかよ、一人で砂遊びとか」


 なんなんですかこの無礼者は、誰か処刑してください。


「私は今日は泥団子作りで忙しいんです。言っておきますけど『今日は』ですので。好きでやってることなので口出しご無用お口チャックお願いします」


 私は今日はを強調して言ってあげました。失礼な人です。レデーに対して……やんなっちゃいます。



「人がせっかく話に来てやってんのになんだよ!!」


「頼んだ覚えねーですよ!!! 勝手に俺は優しいとか自惚れてんじゃねーですよ!!」



 これだから男お子ちゃまは嫌なんですよ!! 辰海さんの性格の方がまだマシです!! あっちもあっちでめんどくさいですけど!! 本当の優しさがある分マシです!!

 無礼者は、何故か顔を強張らせてこちらを見てきます。なんなんですか。いきなり絡んできて怒って。意味わからんですよ



「……すごい、ヤスタカにびびらずあんな堂々と話すなんて……」


 そう後ろで呟いたのは気の弱そうな細身の男の子。
 びびらずとかびびらないとかじゃなくて意味が分からないので本当もう帰ってどうぞです。



「お兄ちゃんはビビりすぎ。ヤスくんいい人だよ」



 そう言ったのは女の子。どうやらこの気の弱そうな子と女の子は兄妹のようです。
 いや、まあそんなことはいいです。そのいい人が変な絡み方でキレてるんだから。そんなのんきに話してないで助けてください。



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