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俺氏、捨て子を拾いました

第7章 みつばじゃないよ、ふたばだよ




 数分経ちましたが……女の子はただ無言で土を掻き集めて、手の中で丸めているようでした。
 私も作ろうとしてるのに集中できずに上手く丸められません。



「……できた!」



 と、女の子は口を開いて嬉しそうに笑いました。手を開けると綺麗なまん丸の泥団子が女の子の手のひらに乗っかっていました。



「すごいです!! この短時間でそんな綺麗なまん丸の泥団子を作れるなんて!! プロですね!! プロです!!」



 これには私も興奮してしまいます! 才能ですね!! 天の才能ですね!!
 女の子はニコニコ笑いながら、私に話しかけてきました。


「おおげさだよー! 私も暇なときこうやっておだんご作ってたから慣れてるんだー!」



 そう言いながら、少し泥団子に水をつけてサラサラと上から土を軽くかける女の子。
 お菓子作ってるみたいです!! 何この子すごいです!!


「ベテランさんでしたか!! 是非ともご教授願いたいです!! 先生!!」


「あはは! そんな先生とか言わなくていいよー! 私、マユウって言うの!」



 女の子……マユウちゃんは自分の名前を教えてくれました。礼儀正しいです! 良いレデーですね!!


「マユウちゃん! 私はふたばです! よろしくですマユウちゃん!!」



 マユウちゃんは笑いながらよろしくと言ってくれました。マユウちゃんの笑顔を見ると私も自然と頬が緩みます!



「このお団子ふたばちゃんにあげるね!」



 マユウちゃんは先ほど作った綺麗な泥団子を私に手渡ししてくれました。



「いいんですか?」



「うん! お母さんに捨ててきなさいって怒られるだけだし」



 マユウちゃんにもらった泥団子は、つやつやとしていて触り心地もよく、やはりプロの作った逸品だと思いました。



「ありがとうです!!」



 感謝の言葉は忘れずに伝えたいと思います。

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