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腹黒ドS王子の愛する人

第13章 平穏

「西条?」




俺が呟いた声に反応して榊の手が動きを止める。





「あぁ、例の恋人くん?」






その目はやっぱりつめたくて、俺の身体は動かなかった。








「葵、そこにいるのか?」





「......るっ.....」






いる、ここにいるよ西条。








気づいて......!!!








「いるよっ、西条っ......」










「おい、ここ開けろ。」






今までに聞いたことのないような西条の低く重い声。






一瞬で部屋を包む空気が変わる。






「聞こえないのか?開けろと言ってるんだ。」




さらに威圧感の増した声に榊がゆっくりと動き出す。






静かに榊が鍵を開ければそこにはどす黒いオーラを纏った西条が立っていた。













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