☆幻想窓☆
第6章 某国の姫さん②
「ふ…っまぁ仕方ない」
ホルはため息をつきながら
ベッドを降りる。
「テル様の耳元でささやけたのが私の幸せ」
寝たふりをしているわたしでも
聞こえるホルのひとりごと。
「今日は…セリフで我慢しますか
テル…いつかヤラせてよ?」
目をあけそうになるじゃないか!
「キミの逃げ場はない…」
ゾクッとする感覚が背中に伝わった。
だけど目をあけてはいけない…
ホル…出て行って!
「ふっ…ではおやすみなさい
愛おしい、テル様」
ホルはテルの部屋を出た──
わたしは、ねむりについた。
いつかヤる日は来るのか?
来ないでくれ…という願いがあるが
ホルはわがままだから…
わたしのまえでは。
欲しがっちゃう、残念な男。
欲しがりすぎで、ついつい口が
わるくなっちゃうのよね。
処女…あげたら、喜ぶのかな?
欲しがりの彼にあげてみたくなる。
まったく…美男のホルは欲求不満だわ…
カッコいいわりには残念。
終