☆幻想窓☆
第7章 気持ち悪いお父さん②
詠美子の、もの──
「そっか、なら好きにして」
おびえてばかりじゃなくて
何か返事をしなきゃ。
あたしはお父さんをつきとばして
布団をめくり、立ちあがる
「お父さんがあたしを好きでも、あたしは好きになれない!」
脳の中に惑わされるばかりではだめだ。
脳の中の喜びを受け入れるばかりでは─
あたしは寝室を出て
2度目のお風呂に入る。
唾液で汚れたカラダを洗い流す。
なめられたことを思い出すだけで
背筋、全身の神経がゾクリとする。
**
洗い流してサッパリしたあたし。
汚いカラダはサヨウナラ。
寝室に戻ったあたし。
お父さんはイビキをかいて寝ている。
ホッとして
あたしも眠りにつく…。
お母さんに言っちゃおうかな…
脳の中の快感に惑わされるばかりで
言えないまま。
はやく…
禁断の夜に幕をおろさなければ。
あたしは
おかしくなっちゃうかもしれない。
終