☆幻想窓☆
第7章 気持ち悪いお父さん②
「詩衣子に愛はない…風歌はもういない…
オレは寂しいんだ…なぁ…分かってくれよ」
なめている舌を止め
耳元でささやく気持ち悪いお父さん…
「や…だ…!」
脳の中まで拒絶反応をおこしてしまいそう。
「女さえいればいいんだ…若い女さえ…」
その一言が悲しく聞こえた…
「若い女の人なら、お母さんが…」
「あいつはババアだ!」
禁断の時間から
ブチ切れタイムになってしまった…
「な…」
お母さんをそのように言わないでほしい。
「寝室は詠美子の檻だ…あぁ…狂愛の檻だ…逃げられぬ、檻…!」
急に態度が変わったお父さんは
あたしを奴隷扱いする。
恋人の域を超えている。
脳の中は喜んでいるの──?
まさか…そんなことないといいけど。
「そっ…そんなぁ!」
凶暴化したお父さんは
あたしの首筋に強くかみついた。
クッキリと残る愛のあかし。
[キスマーク]だ。
「オレだけのものだよ…詠美子…
葉桜…詠美子」
クスッと狂ったように笑ったのが見えた。