
短編集
第1章 咲也×晃
「咲也、なに飲む?」
「じゃあコーヒー。」
「相変わらず渋いなぁ!!」
「うるせー。」
相変わらず…
何というか…生活感の無い
シンプルな部屋だ。
「はい、どーぞ」
「ありがとう。」
「じゃあ早速見ますか!?」
「あ、あぁ。」
いちいち俺に聞くなよ…
「よしっ!!再生っと!!」
はじまった。なんだ…
またSM物か。ったく
好きだな、コイツも。
…………っしっかし
わざとらしい
AVだな!!声も何もかもが
わざとらしい。
「キタキタっ!!!」
晃はひとりで
盛りあがっている。
「はぁ。」
「なぁ、咲也?」
ビクッ。
さっきまで明るかった
晃の声がいきなり低く
真剣な声になった。
