Beautiful Love
第5章 優人 side
「あのぅ、大変言いづらいのですが…」
なんだ?
「この許嫁の件、まだ娘に話して居なくて。あの子まだ許嫁の存在も知らないんです。」
「えっ!?」
…それって結構ヤバくねぇか?
「だから今からちょっと話してきますね?適当な時間になったら2階に来てください。部屋は分かると思うので。」
「いや、あの…」
・・・・・行っちまった。
なんつーか、個性的なお母さんだな。いい意味でも悪い意味でも。
つーか、教師と生徒の婚約って認められてんのか?これって”禁断の恋”って奴なんじゃねーの?
許嫁か・・・。俺に人様の娘なんて守れんのか?
俺は許嫁の存在を知った後、一度だけ付き合った奴がいた。そいつとはいい形で終わらず、それを期に俺は恋愛が怖くなった。
というか女が。女は裏切る、そんな印象が俺には刻みこまれている。
今更女を大切にするなんて難しい、そんな奴が婚約なんかして良いのか?